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値付けとプロスペクト理論

中小企業診断士 富永 秀和
TEL03-6789-2387
e-mail info@globalance.co.jp
http://www.globalance.co.jp/

新年明けましておめでとうございます。 本年が皆様にとって幸多き年でありますよう 心からお祈りいたしします。 さて、最近は、久しぶりに値上げをする会社が増えていますね。牛乳は 30 年ぶりに値上げを決めました。 マーガリンの値上げは 21 年ぶり、冷凍食品は 18 年ぶり、しょうゆの値上げは 17 年ぶりだそうです。 そこで、今回は、如何に値付けが大切かについてお話しします。 まず、価格の変更は、迅速・簡単に行うことができます。会社の売上げや利益を増やす方法としてどのようなものが頭に浮かぶでしょうか。新しい製品の開発 (Product) 、広告・宣伝活動の強化 (Promotion) 、新しい売り先の開拓など新たな流通チャネルの確保 (Place) 、値下げなど値付けの工夫 (Price) などがあげられるでしょう。これを、専門用語で マーケティングの 4P といいます。パッケージ( Package )を加えて、 5P といわれることもあります。この中でも、値付けは、我々だけでできる即効薬です。しかも、ほとんどコストもかかりません。 しかし、値付けにはもっと大切なことがあります。それは、値付けは、利益・業績に与える影響が非常に大きいことです。 最近、タクシーなどいろいろな商品・サービスで価格の引き上げが実施されていますが、 1%の値上げが実現すると 、どれくらい利益が増えるかご存知でしょうか。もちろん会社によって影響度は異なりますが、利益率が売上げの 3% の会社の場合、 33 %もの利益増加 となるのです(売上数量などが変化しないという前提です)。 また、値付けというと、営業担当者レベルの話と思っている会社も多いようですが、本当は、非常に重要な課題なのです。例えば、バドワイザーを製造・販売している米国大手ビールメーカーのアンハイザー・ブッシュ社の社長室では、壁一面が特殊な世界地図になっています。その世界地図は、電光掲示板を兼ねており、世界各地のバドワイザーの値段がリアルタイムで把握できるようになっているというのです。会社として、どれだけ値付けを重視しているかがわかるエピソードではないでしょうか。 (値上げと値下げは大違い)

さて、実際に値上げをするとなると、気になるのは、売上げの落ち込みですね。 もし、前回、 10 %値下げした時は 10 %の売上げ数量のアップになったから、今度 10 %値上げしても 10 %ほどしか売上げ数量はダウンしないだろうと考えるなら、とても甘い判断です 確かに理論的には、 10 %値下げした後で 10 %値上げしたら元の価格に戻るだけです。それなら、値下げで 10 %増えた数量も元に戻るだけ、つまり 10 %の数量減少にとどまりそうです。 しかし、現実は、理屈ではなく感情で動くことが多いものです。 値下げは「得した」と感じ、値上げは「損した」と感じます。そして、人間は「得した」感情より「損した」感情の方がインパクトが大きいのです。つまり、 10 %値下げは「チョット得した」程度の感覚でも、 10 %値上げは「大損した」感覚になるのです。したがって、例え、 10 %値下げしたら 10 %の売上げ数量のアップになったとしても、 10 %値上げすると 30 %も売上げが減少することは十分に考えられます。 ですから、値上げの際は売上げの落ち込みに十分注意することが大切です。その前に安易な値下げを避けることが大切となります。 (先送りはダメ:プロスペクト理論) この「 人は、損することをとても嫌がる 」ということは、ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カールマン教授が提唱した「 プロスペクト理論 」というものでも説明されています。つまり、世界的に認知された真理なのです。 また、プロスペクト理論によると、 人間は利益についてはある程度の大きさで確定するのを好むが、損失は挽回を期待して先送りにする傾向にある そうです。この気持ちは株式投資経験者には実感があるのではないでしょうか。多くの投資家が、値上がり株は早めに売却して利益確定しがちですが、値下がり株は塩漬けにしてしまい、なかなか売却して損失を確定させてしまうことができないようです。そして、値上がり株はもっと持っていれば良かったと後悔し、値下がり株はもっと早く処分していれば良かったと後悔することが多いようです。心理に振り回されて合理的な判断ができなかったことを後悔するのです。

事業においても、不採算部門(負け犬)の撤退は遅れがちとなり、成長部門(花形)への投資に躊躇しがちな会社が多いようです。このような場合、心理に振り回されることなく、合理的な判断を行うだけで、業績を上げることが期待できます。



 

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